Webメールでメッセージの暗号化などを行うのは結構面倒なものですが、それを簡単にしてくれるのが「FireGPG」です。
「FireGPG」は、FirefoxでGmailを利用する際、メッセージを暗号化して、”鍵”を持った人にしか解読できないようにしてくれるプライバシー保護ツールです。
暗号化を行うには、通常ローカルにインストールする暗号化ソフト「GnuPG」などのソフトウェアが必要ですが、これらをグラフィカルにFirefox上で簡単にコントロールすることができ、FirefoxからGmailを利用する際に対応させることができます。
利用するには最初に「WinPT and GPG」のインストールが必要です。
インストールは”Next”で進んでいけばすんなり完了します。
次に、Firefoxアドオンである「FireGPG」をインストールします。
両ソフトのインストールが完了したら、暗号化されたメッセージを解読するための”公開鍵”の作成を行います。
1.スタート→すべてのプログラム→アクセサリ→コマンド プロンプトを開きます。
2.現在のディレクトリC:\Documents and Settings・・が表示されてると思いますので、>以降に cd \Program Fires\GNU\GnuPG とタイプしてディレクトリを移動します。
3.C:\Program Fires\GNU\GnuPG>の後に、gpg --gen-key とタイプします。
4.Please Select・・・と表示され、下部に選択肢(1)・・と表示されますのでとりあえずデフォルトの(1)を選択します。(1Enter)
5.Is this correctの次にyをタイプしてEnter
6.次にリアルネーム(ニックネーム)とGmailアドレス、解読時に必要なパスワードを入力します。(必要ならばコメントの入力も可)、OKならば”O(オー)”Entreで次へ進みます。
7.メッセージが表示され、+++++記号でキーの作成が進行しているのが確認できます。
8.完成したキーの詳細が表示され、C:\Program Fires\GNU\GnuPG>に戻りますので、コマンドプロンプトを閉じます。
これでキーの作成が完了しました。
それでは実際に自分で自分にメッセージを送信して暗号化、解読のテストを行ってみましょう。
1.Gmailにアクセスします。
2.新規作成画面で本文を入力し、そのメッセージを選択します。選択したテキスト上で右クリックし、FireGPG→Cryptをクリックします。
3.キー選択画面が表示されますので、先ほど作成したキーを選択し、OKをクリックします。
4.選択メッセージが暗号化されたことを示すウィンドウが開きますのでこれを選択し、Gmailの本文欄に貼り付けます。
5.このままメッセージを送信します。
6.メッセージを受信したら、暗号化された本文をすべて選択し、右クリックメニューから”Decrypt”をクリックします。
7.キー作成時に設定したパスワードを入力する窓が開きますのでパスワードを入力します。
8.解読された元のテキストポップアップ表示されます。
以上が一連の流れです。
このように暗号化したGmailメッセージを第三者に送る場合、当然ながらメッセージを暗号化する際に使ったキーを相手が持っている必要があります。この場合、Firefoxの画面上で右クリック→FireGPG→Exportをクリックし、別窓内の公開キーをクリックしてOKをクリックすれば公開鍵が表示されますので、あらかじめ相手に知らせておきましょう。
また、他の方のキーをインポートするには、キーを表示・すべてを選択し、Firefoxの画面上で右クリック→FireGPG→Inportを選択すれば取り込むことができます。
キーを相手に知らせる場合、それをメールで送るというのは意味をなさない場合があります。その場合は、「Keyserver」のようなキーを保管、検索することができるサーバー上にキーを登録しておけばいいでしょう。
登録したキーは、同サイトの検索窓にキーの名前を入力することにより簡単に検索でき、ローカルに保存してインポートしたり、エディタで開いたりすることができます。
同じソフトウェアとアドオンをインストールしている方が公開鍵を受け取ったら、鍵を選択し、右クリックメニューから”Inport”をクリックすることによって鍵を保管できます。
<「Keyserver」利用法>
サイトにアクセスし、”Import your key”リンクをクリックします。
テキストボックスが表示されますので、その上で右クリックし、上記エクスポート手順と同様に自分のキーを表示し、それを貼り付けます。
”Submit”ボタンをクリックすればサーバー上にキーが登録されます。
キーの名前で検索してみると自分のキーが表示されることを確認します。
Key IDという部分に0xC51575**と表示されているはずです。
他の方にこのキーをインポートしてもらいたい場合は、「Keyserver」で検索してもらい、ローカルでインポート作業をおこなってもらうことになります。
Firefox+FireGPGで右クリックメニューから簡単に
インポートしてもらいたい場合は、下記の書式でURLを表示してもらうことにより、Firefoxからインポートすることができます。
(赤字のKey ID部分を自分のIDに書き換えます。)
http://www.keyserver.net:11371/pks/lookup?op=get&search=0xC51575**
&template=netenextract,netennomatch,netenerror
また、このアドオンをインストールすることにより、Gmailのインターフェースには専用の暗号化、署名ボタンが付与されますので、今後はワンタッチで暗号化することができるようになります。
少々ややこしい手順を踏まないと実現できない機能ですが、慣れればそう難しいものでもありません。
WinPTを使って本来なら署名などもっと高度なことができますが、とりあえず上記で暗号化・解読という基本的なプライバシー保護をFirefox+Gmailに付与することができます。
重要なメールや第三者に知られたくないGmailメッセージを送受信する際に使ってみてください。
<参考リンク>
■Open Tech Press:FireGPGを使ったGmailの暗号化と署名
■FireGPG配布サイトのインストール・利用に関するチュートリアル
■GnuPGの使い方
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