今回は、そんな新しいプロファイルに旧プロファイルで育ててきた各種データを移す方法について管理者が実行したことなどをご紹介したいと思います。
1.ブックマーク
最初に必要となる重要なデータといえば「ブックマーク」ですね。
これを新プロファイルで使えるようにするには以下のようないくつかの方法があります。
○旧プロファイルフォルダ直下の[bookmarks.html]を新プロファイルフォルダ直下にコピーする。
*プロファイルフォルダの場所(Windows/vista 7)C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles\********.default(末尾のdefaultなどが作成したプロファイル名です。)
○旧プロファイルでFirefoxを起動し、ブックマークメニューから[履歴とブックマークの管理]を開き、[インポートとバックアップ]にて任意の場所へ[bookmarks-20**-0*-**.json]を保存、その後新プロファイルで起動し、[履歴とブックマークの管理]を開き、[インポート]にて[bookmarks-20**-0*-**.json]を読み込む。
○Xmarksを利用する。
すでにXmarksをご利用の方は、新プロファイルにXmarksをインストールし、お持ちのIDでログインすれば、いつものようにウィザードから同期させることができます。
この際、「サーバのブックマークを保持し、コンピュータのブックマークを捨てる」ようにすればブックマークを完全に元のスタイルで復元することができます。
3.6と4.0を併用する方ならこの方法が一番でしょう。
2.パスワード
新規プロファイルにパスワード情報を移行しておかないと、各サービスにアクセス後、手動でユーザー名やパスワードを入力しなければログインできません。
全部覚えていない方は、このデータも移行しておきましょう。
○Firefoxを終了した状態でプロファイルフォルダ直下の[cert8.db][key3.db][signons3.txt]の3つをコピーします。
次に新プロファイルフォルダ直下の同3ファイルを削除し、旧プロファイルからコピーした[cert8.db][key3.db][signons3.txt]を貼り付けます。
3/26追記:
wapaさんにコメントでご指摘いただいたように、3.6で保存したパスワード情報は[signons.sqlite]ファイルに保存されています。したがって3.6から移行される場合は[signons.sqlite]も一緒にコピーする必要があります。
これでパスワード情報が復元できるはずです。
○アドオン「Password Exporter」を使う。
旧プロファイルに「Password Exporter」をインストールして設定画面を開き、「パスワードの書き出す」(「パスワードを書き出す」の間違いでしょう)をクリックし、任意の場所へ[password-export-20**-0*-**.xml]を保存する。
新プロファイルに「Password Exporter」をインストールして設定画面を開き、「パスワードを読み込む」ボタンをクリックし、選択画面で保存した[password-export-20**-0*-**.xml]を選べば読み込みが開始されます。
これで全てのユーザーID/パスワードが移行できます。
参考記事:Firefoxのパスワードマネージャに保存されたパスワードをインポート・エクスポートできる「Password Exporter」
○Lastpassを使う
オンラインツールLastpassを使えば、Xmarksのようにログイン情報をオンラインで同期することができます。
参考記事:FirefoxのID・パスワードをオンラインに保存してシームレスに同期することができるオンラインツール「LastPass」スタートガイド。
3.Greasemonkey
Firefox 4.0でもGreasemonkey0.9以降が利用できます。
しかし、各種スクリプトは手動でインストールする必要があり、非常に面倒です。
そこで、以前の環境のGreasemonkeyスクリプトをざっくり移行してしまいましょう。
Firefoxを終了した状態で旧プロファイル内の[gm_scripts][gm_scripts_**bak]フォルダをコピーし、新プロファイルフォルダ直下に両者を貼り付けます。(上書きでOKです。)
これで新プロファイルでも以前使っていたGreasemonkeyスクリプトが、設定も含め利用できるようになります。(UI関連などのスクリプトは一部使えないものがあると思います)
余談ですが4.0対応のGreasemonkey0.9*は管理がしにくく非常に使いにくいですね。
4.Stylish
StylishにCSSを読ませてUIやサイト固有のデザインを変更されていた方は、以下の方法でその設定を引き継ぐことができます。
新プロファイルにStylishをインストールしたあと、旧プロファイルフォルダ直下の[stylish.rdf][stylish.sqlite]をコピーし、新プロファイルフォルダ直下に貼り付けます。(上書きでOKです。)
これで新プロファイルでも以前のユーザースタイルが利用できるようになります。
ただし、4.0とはUIがまったく違うため、UI系はほとんど使えないと思います。
デザインが崩れた場合は一つずつスタイルを削除するしかありません。
5.アドオン
アドオンは基本的に4.0対応となっているものを個別にインストールするしかありません。
管理者は旧プロファイルに「MR Tech Toolkit」というアドオンをインストールしていましたので、その機能にある[アドオン情報]を開き、インストールしているアドオンをHTMLで書き出し、新プロファイルでそのHTMLを読み込んで全てのアドオンを参照・インストールしました。
Tab Mix PlusやAll-in-One Sidebarなど一部のアドオンには設定のインポート/エクスポート機能が備わっていますので、これを使えばタブアクションなどの環境を復元できます。
*OPIEというアドオンで各種アドオンの個別設定をインポート/エクスポートすることもできますが、今回は試していません。
参考記事:拡張機能の「個別設定」をインポート・エクスポートできるFirefoxアドオン「OPIE」
なお、一部のサイトで4.0未対応のアドオンを強制インストールする方法として、about:configにて[extensions.checkCompatibility.4.0]を[false]に設定すればいいというようなことが書かれていますが、これを設定して未対応のアドオンをインストールすると、高確率でフリーズしますのでおすすできません。
未対応アドオンをインストールしたい場合は、Nightly Tester Tools 3.1.2を使ったほうがいいでしょう。(同じく動作保証はありませんが・・)
6.テーマ
これに関しては対応しているテーマを探すしかありません。
4.0で「Add-ons for Firefox」にアクセスし、左メニューから[テーマ]を選択すれば、対応しているアドオンはサムネイルが普通に表示され、未対応アドオンはグレーアウトするようになっています。
7.検索エンジン
新規プロファイルを作成すると、検索バーに登録されている検索エンジンも初期状態となります。
以前の検索バーに複数の検索エンジンを登録していたような場合は、旧プロファイルフォルダ直下の[searchplugins]フォルダをコピーし、新プロファイルフォルダ直下へ貼り付けることによって同じ検索エンジンを利用することができます。
以上のような旧データをうまく移行できれば、利便性を欠くことなく新プロファイルで快適にFirefox 4を使うことができると思いますので、新規作成したプロファイルでFirefox 4を使おうという方は試してみてはいかがでしょうか。
注意事項
以上の作業を行う場合は、念のため旧プロファイルデータをバックアップしてから実行することを強く推奨します。
[C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles]の丸ごとコピー、および「MozBackup」や「BackupFox」などのツールを使ったバックアップ方法がありますので、お好みの方法で必ずバックアップを取ってから作業を行ってください。
参考記事:「MozBackup」で丸ごとバックアップ。
参考記事:Firefoxのプロファイルを丸ごとバックアップ・リストアできるソフトウェア「BackupFox」(Thunderbirdにも対応)
<関連記事>
■Firefox 3から3.5への私的環境移行ガイド。
■Firefoxのプロファイルを高度に管理できるスタンドアロンアプリ「ProfileManager」
■Firefoxのパスワードマネージャに保存されたパスワードをインポート・エクスポートできる「Password Exporter」
■FirefoxのID・パスワードをオンラインに保存してシームレスに同期することができるオンラインツール「LastPass」スタートガイド。
■高機能バックアップツール「Firefox Extension Backup / CLEO 1.0 」
■拡張機能の「個別設定」をインポート・エクスポートできるFirefoxアドオン「OPIE」
GreaseMonkey => Scriptish
試してみてはどうでしょう
この記事のパスワードの項目についてですが、3.6からの以降の場合は[signons3.txt]でなく、[signons.sqlite]をコピーする必要があるようです。signons3.txtはFirefox3.0までで、3.6で登録したパスワードなどはsignons.sqliteの方へ保存されているようですので。
貴重な情報ありがとうございました。
最終的にほかのプロファイルからアドオンでざっくりパスワードを持ってきましたので、気がつきませんでした。
参考にさせていただき、記事本文も修正させていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。