皆さんご存じのようにこの「プロファイル」は、プロファイルマネージャから複数作成することができるようになっており、目的に応じて使い分けたり、起動スイッチを使って別々のプロファイルを異なるバージョンのFirefoxで起動したりすることができるようになっています。
このプロファイルマネージャが将来的に廃止となる方向で議論がされているようです。
初心者にとって直感的に扱うことができないことや、先々での互換性の問題、WindowsやLinuxユーザーは個人的なアカウントでログインすれば事足りるというようなことが理由として挙げられているようですが、複数プロファイルや複数バージョンのFirefoxを使っている方にとってはちょっと不安なニュースですね。
MozillaでGrafx BotやCrossweaveなどの開発を行っているjgriffinのブログでは、この件に触れた上で、代替手段としてFirefoxやThunderbirdをはじめとしたXULRunnerアプリのプロファイルを管理することができるスタンドアロンアプリ「ProfileManager」を試験公開している旨をアナウンスしています。
「ProfileManager」は、その名の通りプロファイルマネージャを単独アプリケーションとして起動することができるというもので、デフォルト起動プロファイルの指定、プロファイルの新規作成、削除、名前の変更など、既存の機能を実行するのはもちろん、各プロファイルを任意のバージョンのアプリで起動するようにセッティングしたり、プロファイルのバックアップ、リストアなども行うことができるという高機能な管理ツールです。
ソフトウェアはWindows/Linux/Mac OS用がそれぞれ用意されており、現在のバージョンは1.0_beta1となっています。
今回は、Windows 7へ導入して実際に各種機能を使ってみました。
なお、本アプリをWindowsで利用するにはあらかじめ「Microsoft Visual C++ 2010 Redistributable Package (x86) 」がインストールされている必要があります。
「ProfileManager」を試したい方で上記を導入されていない方はこちらからダウンロードし、セットアップを行ってください。(数分で完了します。)
次にこちらからアプリ本体のダウンロードを行います。
Windowsユーザーの場合は[profilemanager-win32.zip]をダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルを解凍すれば、セットアップの必要もなく使用できるようになっています。
解凍してできたフォルダ[profilemanager]を開き、その中の[profilemanager.exe]をダブルクリックすればツールが起動するようになっています。
この状態で起動したいプロファイル名を選択し、[Start Firefox]ボタンをクリックすれば従来のプロファイルマネージャ同様プロファイルを選んでから起動することができるというわけです。
また、各プロファイル名を右クリックしてプロファイルの削除、名前変更など従来からある操作ができるのはもちろん、[プロパティ]を参照してフォルダパスや作成日時の確認ができるほか、後述のようにそのプロファイルで起動するFirefoxのバージョン指定などを行うことも可能です。
それでは以下、本アプリでできるプロファイル管理について見ていきましょう。
■起動するFirefox(およびXULRunnerアプリ)のバージョン登録
[Manage Firefox versions]をクリックすると、起動させたいアプリの登録を行えます。
デフォルトの場合、[C:\Program Files\Mozilla Firefox\firefox.exe]しか登録されていませんが、この画面で[Add]をクリックしてアプリケーションの実行ファイルを指定してやれば、Firefox 4 BetaやThunderbirdを登録することができます。
登録が完了すると、下部の[Firefox version:]部のリストから選択が可能となります。
起動したいプロファイルとバージョン(アプリ)を選択し、[Start Firefox]を押せば任意のプロファイルを任意のバージョンのFirefoxで起動することができます。
■新規プロファイルの作成
上部メニューの[New]をクリックすると、プロファイルの新規作成を行うことができます。
プロファイル作成ダイアログではプロファイル名、プロファイルを置く場所、作成したプロファイルを起動するFirefoxのバージョン、デフォルトにするかどうかの指定を行うことができます。
*デフォルトの場合、通常の保存場所であるC:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles以下に作成されるのではなく、C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Mozilla\ProfileManager以下に作成されます。
必要なら[Change]ボタンをクリックして保存場所を変更してください。
作成が完了すると、バージョンやデフォルト指定の有無が表記された状態でリストに追加されます。
■プロファイルの削除
削除したいプロファイルをクリックして選択し、メニューの[Delete]をクリックします。
表示されるダイアログでOKをクリックすればプロファイルが削除されます。
■プロファイルのコピー
プロファイルを選択してメニューの[Copy]をクリックすれば、そのプロファイルの内容のまま新規プロファイルを作成することができます。
ここでも新規作成同様プロファイル名と保存場所の指定が可能です。
■プロファイルのバックアップ
プロファイルを選択し、[Backup]メニューをクリックすれば、フォルダ、またはアーカイブ形式でプロファイル全体のバックアップを行うことができます。
[フォルダ]を選択した場合はC:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles\backups以下に[プロファイル名.xxxxxx]というバックアップフォルダが作成されます。
[アーカイブ]を選択した場合は保存場所と名前が選択でき、[任意の名前.zip]として任意の場所にバックアップされます。
バックアップが完了すると、各プロファイルリスト内の[Backup]欄にバックアップ個数、バックアップした時間が表示されるようになります。
それぞれのバックアップ表記を右クリックすれば、バックアップの削除、リストアを行うことができます。
■バックアップの復元
右クリックメニューから[Restore]を選択すれば、そのバックアップ形式からの復元、メニューの[Backup]→[Restore from]以下から実行する場合は、フォルダ、アーカイブのどちらかを選んで復元を開始することができます。
アーカイブから復元する場合は名前と解凍先のパスを入力できます。
ここで入力した名前のプロファイルがC:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profilesへ新たに追加されるようになります。
復元完了後は以下のようなダイアログが表示されます。
以上のように、今までのプロファイルマネージャをより高機能化したようなアプリケーションとなっています。
*アプリ各部にはFirefox用であるような表記がされていますが、当方で試したところ、Thunderbirdをアプリとして登録したり、Thunderbird用のプロファイルを作成してThunderbird3.1.7で起動するような作業は通常通り行うことができました。
まだ初期のベータということで試験的な意味合いが強いアプリですが、プロファイルを分けている方や複数バージョンのFirefox、Thunderbirdを使っているような方なら、その実用性を感じてもらえると思います。
将来のプロファイル管理機能を先取りしたい方は使ってみてはいかがでしょうか。
ダウンロード:ProfileManager 1.0_beta1(ftp.mozilla.org)
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