もし誤ってメッセージを削除してしまっても、ここにある間は拾い出すことができるわけですが、Thunderbird終了時にゴミ箱を空にするように設定していたり、手動でゴミ箱を空にしてしまうと普通の作業では取り出すことはできなくなります。
削除したような気がするメッセージを再度参照したいようなことはよくあることですが、このようにゴミ箱から無くなってしまうと基本的にはお手上げ状態となってしまいます。
Thunderbirdに「Recover Deleted Messages」というアドオンをインストールしておけば、こんなときでもメッセージの回復作業を行うことができるようになります。
「Recover Deleted Messages」は、フォルダコンテキストメニューに回復メニューを追加し、これを実行することでゴミ箱からも削除されてしまった最適化前のメッセージを簡単に拾い出すことができるというものです。
アドオンをインストール後、ゴミ箱にも無いメッセージを回復したくなったら、フォルダコンテキストメニューに追加された[Recover Deleted Messages]を実行します。
オンラインの場合、オフラインのほうが安全に回復できるという通知が表示されますが、これはIMAPフォルダからの回復を考慮してのことですので、必要に応じてキャンセルをクリックし、オフラインに切り替えて再度実行してください。
上記メッセージでOKをクリックすると、以下のようなメッセージが表示されます。
これは[Deleted_emails_0]というフォルダを作成し、そこにメッセージを回復しますよという意味です。
このメッセージでもOKをクリックすると回復作業が始まり、その状況がステータスバーに表示されます。
*リカバリーするメッセージ量にもよりますが、作業中にThunderbirdの応答が無くなったような感じになることがあります。
回復が完了すると、実行フォルダ以下に[Deleted_emails_0]というフォルダが作成され、そこに回復した件数が表示されるようになります。
*[Deleted_emails_0]フォルダを残したままにしておく場合、次回以降は[Deleted_emails_1・・・]というように新規フォルダが作成されていきます。
あとは通常のフォルダで作業を行うようにメッセージの参照、移動を行えばいいというわけです。
IMAPの無い環境でオンラインのまま試したところ、過去1週間分、144通のメッセージが回復されました。
回復されたメッセージの表示や移動なども特に問題なく、通常のメッセージのように扱うことができました。
当方の環境では自動的に最適化を行うようにしていますので、最後の最適化以降の削除メッセージがこれだけ回復できたということになります。
*ほしいメッセージが復旧できたら残ったメッセージ、フォルダは削除してしまってもかまいませんが、上述のように最適化を実行すると回復できなくなりますので、次回実行時に同じ結果が得られるとは限りません。
同様のツールはスタンドアロンアプリなどでいくつか公開されていますが、こちらはThunderbird上ですぐに実行でき、作業もややこしくないので初心者の方でも簡単に使いこなすことができると思います。
ゴミ箱を常に空にしておく習慣がある方でも、これがあればある程度回復できる可能性がありますので、いざというときのためにインストールしておいてはいかがでしょうか。
ダウンロード:Recover Deleted Messages(nic-nac-project.org)
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