以前からブックマーク同期系のツールは数多くリリースされていますが、そのほとんどが現行バージョンに対応すべくアップデートされておらず、あらためてXmarksの独壇場であったことが思い知らされます。
今回はそんなブックマーク同期系アドオンの中から、現行のFirefoxで使える「SyncPlaces」というものを試してみました。
このアドオンは2008年に公開されたもので、着々とアップデートされているものです。
「SyncPlaces」は、Xmarksと違って自分が管理している(することができる)WEB/FTPサーバへ[Places]ファイルを送信して、ブックマークやパスワードを保存・同期することができるというものです。
したがって、ウェブサイトオーナーなどでこうしたサーバをレンタル、または利用することができる方が対象となります。
<使い方>
アドオンをインストールしたら、まずはオプション設定を開き、各種設定を行います。
オプションウィンドウは3つのセクションに分かれていますので、順番に見てみましょう。
■Seaver
●Connectio
ここでは利用するサーバの設定を行います。
利用できるプロトコルはhttp https ftp fileとなっていますが、今回はわかりやすくftpでやってみました。
*httpなどのウェブサーバは[WebDAV]に対応している必要があります。
[プロトコル]でftpにチェックを入れ、ホスト名、ユーザー名、ftpパスワードを入力します。
*下部の[Run Wizard next time]にチェックを入れておけば次回以降ウィザードによるセットアップが可能になりますので、次回以降設定を変える可能性がある方はチェックしておけば便利でしょう。
●Synchronization
ここでは同期設定を行います。
同期するファイルの形式をJSON、XBELから選択できますが、JSONを推奨します。(少数派かと思いますが、Firefox 2をご利用の方にはXBELを推奨)
また、パスワードも同期したい方は右端の[Passwords]にもチェックを入れておいてください。
下部の3つのパスはプロファイルフォルダ以下に作成されるローカルータの保存場所です。ここは特に変更しなくても大丈夫だと思います。
■Options
●Basic
ここではファイル送受信時の設定を行います。
上段では
○安全な送信 ○送信後に並べ替え
○JSONファイルの暗号化 ○JSONファイルの圧縮
下段では
○変更があった場合のみブックマークの同期を実行する
○ブックマークをマージする
○変更があった場合のみパスワードを同期する
○パスワード受信時にマージする
などのオプションを設定できます。
●Automation
ここでは同期の自動化設定を行います。
上段では
○自動同期時の遅延時間(秒)
○Firefox起動時にファイルを受信する ○Firefox終了時にファイルを送信する
中段では
○自動同期の間隔
下段では
○自動的に同期する毎日の時間
などをセットできます。
●General
ここでは自動・手動での同期実行やメニューの表示、ローカルフォルダへのバックアップなどが設定できます。
上段では
○全てのブックマーク・パスワードを同期する
○選択したフォルダの同期を実行する
下段では
[SyncPlaces]メニューの表示を
○ブックマークメニュー ○ツールメニュー
○ステータスバーアイコン
に表示するよう設定できます。
また、最下部の[Select folder to backup to]をクリックすれば、ローカルの保存先を変更することができます。
*デフォルトはプロファイルフォルダ直下になっています。
■Advanced
●Profiles
Xmarks同様いくつかのプロファイルを作成しておくことができます。
●Marging
マージに関する設定を行います。
上段では
○ブックマークをマージする ○削除時にマージする
○タイムスタンプを利用する ○ローカルを利用 ○リモートを利用
Xmarksでいうと、マージの際ローカルを標準にするか、ローカルを捨ててリモートを利用するかということです。基本はタイムスタンプにしておけばいいと思いますが、別のプロファイルやPCで始めて同期するような場合は設定を変更することがあるかもしれません。
下段では
○全てマージ
○ブックマークメニュー、ブックマークツールバー、未整理のブックマークをマージ
○ブックマーク、サーチクエリ、ライブブックマーク、セパレータのマージ
など、マージに含める内容を細かくセットすることができます。
*通常は全てマージで問題ないと思います。
●XBEL
上述したXBELフォーマット利用時にスタイルタグを加えることができます。
●Encryption
同期時にファイルを暗号化したい方は、ここに任意のパスワードを入れ、暗号化形式を選択してください。
●Workarounds
送受信時の設定ですが、問題が無ければ特に触る必要はありません。
以上が全ての設定です。
上記画像のように設定した場合、自分が管理できるftpサーバにJSONファイルを暗号化してバックアップし、それを30分ごとに自動的に同期、タイムスタンプを使って常に全てマージされるという具合になります。
あとはサーバが存続している限り放置しておけばいいということになります。
手動で同期を実行したい場合は新たに設置されたステータスバーアイコン
クリックすると以下のような実行ウィンドウが表示され、この画面内にてブックマークの送信・受信、ローカルへのバックアップ、復元などができるようになっています。
■何らかの操作を実行した際は、下部のStatusに状況が表示されます。
■送信時
■受信時
■ローカルへのバックアップ:ブックマーク、パスワード、その両方から選択できます。
*アイコン右クリックからも手動送受信が可能です。
また、設定にてウィザードを実行するようにしてある場合、ステータスバーアイコンのクリックでウィザードが開始されます。
ここでは上記のような基本設定をウィザード形式で記入していくことができます。
以上のように、かなり細かい設定が可能なブックマーク・パスワード同期アドオンとなっています。
サーバを用意できるのが必須となるため万人向けとは言えませんが逆にサーバをお持ちの方なら自分で管理できるという手軽さがあっていいのではないでしょうか。
設定さえしてしまえばあとはXmarks同様の同期環境を得ることができますので、レンタルサーバをご利用の方などはXmarks代替ツールとして検討してみてはいかがでしょうか。
なお、Xmarksにも任意のサーバに保存できるバージョン「Xmarks BYOS Edition」というものがあります。こちらはXmarks終了後も利用できるようですが、Firefoxには未対応であること、今後のアップデートは行われないことなどから実用性は無いと思われます。
ダウンロード:SyncPlaces(Add-ons for Firefox)
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