about:configで設定を変更したり、アドオンのインストール、および設定などをしたりすると[Prefs.js]の内容が更新されていき、以降設定が保持されていくというわけです。
この[Prefs.js]のサイズは、アドオンのインストールによって確実に増大するようになっており、いつのまにか数メガバイトにふくれあがっているという方も少なくないと思います。
このサイズはアドオンをアンインストールすれば減るというものでもなく、アドオンのインストールや設定によって書き込まれたパラメータはアンインストール後も残ってしまうことがほとんどです。
このように[Prefs.js]が肥大化してしまうと、Firefox起動時の読み込みに時間がかかってしまうことはもちろん、設定した情報が残ってしまい、プライバシー上の観点からも好ましくありません。
このような情報を削除するには、通常[Prefs.js]をエディタなどで開き、パラメータを探し出して手動で削除するのが一般的ですが、この方法では不要部分を探し出すのに時間がかかるほか、必要部分を誤って削除してしまったりしてFirefoxが起動しなくなるようなこともあります。
このようなことから[Prefs.js]のメンテナンスは特に行っていないという方も多いでしょう。
そんな方でも、「Firefox Prefs.js Cleaner」というソフトウェアを使えば、アドオンのインストール・アンインストールを繰り返したことにより肥大化した[Prefs.js]をわかりやすく、安全にメンテナンスすることができます。
「Firefox Prefs.js Cleaner」は、Firefoxの[Prefs.js]内に書き込まれているパラメータを拾い出して表形式で一覧化し、不要だと思われるものにチェックを入れて選択するだけで、それらを削除することができるというWindows用ソフトウェアです。
ツールをはこちらで配布されており、ページ内の[Download: FFPCleaner v1]をクリックすると[office.live.com]のストレージからダウンロードできるようになっています。
ダウンロードした[FFPCleaner_v1.zip ]を解凍すると、[FFPCleaner.exe]というプログラムが利用できるようになっています。
(Firefoxを終了した状態で)[FFPCleaner.exe]をダブルクリックするとツールが起動し、最初にプロファイルフォルダを指定するダイアログが開くようになっています。
プロファイルフォルダの場所は、通常以下のようになっています。
Windows Vista/7:C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles\*********.default
Windows XP:C:\Documents and Settings\[ユーザ名]\Application Data\Mozilla\Firefox\Profiles\********.default
このダイアログでプロファイル名を指定すれば、以下のようなウィンドウが表示されます。
一覧には[Prefs.js]に書き込まれているパラメータ名、書き込まれている行数、削除対象にするためのチェックボックスが表示されており、この中から不要だと思われるものにチェックを入れて選択するようになっています。
中にはわかりにくいものもありますが、ほとんどの場合アドオンの名称がパラメータ名として使われていますので、自分が現在使っていないアドオン名にチェックを入れていけばいいでしょう。
*ただし、現在アンインストールしていても将来再利用する可能性のあるものは置いておいたほうがいいと思います。そうした設定を残すことにより、再インストール時に過去の設定を利用できることが多いです。
不要なものにチェックを入れ、下部の[Remove Selected]ボタンをクリックすれば選択項目が[Prefs.js]から削除されます。
*デフォルトでは[Create backup?]にチェックが入っており、実行時にPrefs.jsのバックアップを保存するようになっています。
動作に影響する作業ですので、このチェックは外さないことをおすすめします。
当方のアドオンテスト用プロファイルでは、日常的にアドオンのインストール・アンインストールを繰り返しているため、Prefs.jsのサイズが1.8MBになっていましたが、これを使って利用していないパラメータを削除したところ、128KBと10分の1以下になりました。
■実行前
■実行後
起動なども相当に高速化され、その効果が体感できました。
今のところ不具合も起こっておらず、快適に利用できています。
もし万一、ツールを利用したことによりFirefoxが起動しない、動作がおかしいなどの症状が出た場合は、バックアップファイルよりツール実行前の状態に戻すことができます。
バックアップファイルはプロファイルフォルダ内に[prefs.js.bak.**********]という名称で保存されるようになっています。
*複数回実行した場合は、その都度バックアップファイルが作成されます。
Firefoxを終了した状態でツール実行後の[prefs.js]を削除し、該当日時のprefs.js.bak.*****を[prefs.js]にリネームすれば元の環境に戻すことができます。
このように、半自動的で[prefs.js]の掃除ができるソフトウェアとなっています。
[prefs.js]が数MBになっているような方は、実行することによって快適な環境を取り戻すことができるかもしれませんので、興味のある方は使ってみてはいかがでしょうか。
なお、本ツールはMozillaの審査などは経ておらず、配布もファイルストレージからダウンロードするようなものとなっており、一抹の不安はあるかと思います。
機能の内容を理解し、十分な注意を払った上で自己責任にてご利用くださいますようお願いいたします。
ダウンロード:Firefox Prefs.js Cleaner
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