その後もテストが重ねられていましたが、今回名称を「Firefox Sync」とした正式バージョンが公開されましたので早速試してみました。
「Firefox Sync」は、Firefoxのブックマークや履歴、保存されているパスワードなどをサーバーに保存し、異なるPCのFirefoxや別プロファイル間でそれらのデータを同期することができるというアドオンです。
これを利用することにより、会社のPCで自宅のFirefoxと同じ環境を再現したり、デスクトップとノートで同一環境を構築することが可能となります。
すでにWeaveをご利用の方にとっては若干のUI変更などがある程度で使い方に大きな違いはありませんが、初めてご利用の方向けに、導入〜利用方法について書いてみたいと思います。
<1台目のPCへのインストール>
「Firefox Sync」を利用するには、当然ながら同期したいそれぞれのPCのFirefoxにアドオンをインストールしておく必要があります。
まずはメインとなるPCにアドオンをインストールしてみましょう。
アドオンをインストールすると、以下のような設定ウィンドウが開きます。
このウィンドウ内には2つのボタンが用意されています。初めてご利用の方は[I've never used Sync before]を、すでにWeave試用中などでアカウントをお持ちの方は、[I'm already using Sync on another computer]をクリックしてください。
<アカウントの作成>
1.[I've never used Sync before]をクリックすると以下のようなウィンドウが表示されます。
ここに任意のユーザー名(半角英数)、パスワード(確認を含め2カ所)、メールアドレスを記入後、規約に同意する旨にチェックを入れたら[次へ]をクリックします。
2.次の画面では、暗号化された情報を送受信するためのパスフェーズを入力し、[次へ](確認を含め2カ所)
*メインパスワードと異なる12文字以上の半角英数字で入力します。
3.次の画面では、同期の方法を選択できます。
[Sync Everything]を選択しておけば、常に全ての情報を同期し、[Use my custom settings]を選択した場合、下部に表示されるブックマーク、パスワード(マスターパスワードは同期されません。)、設定、履歴、タブの中から必要なものを選んで同期するようにセットできます。
4.最後に認証文字を入力し、[次へ]をクリックします。
以下の画面が表示されたらアカウント作成、および基本設定は完了です。
ステータスバーに以下のような情報が表示され、同期が開始されます。
初めてご利用の場合、上記設定を行ったFirefoxから情報がmozillaのサーバーへ送られることになります。
ファイルや設定に変更があった場合でも、これで常にサーバーへ最新データが送られるようになります。
*アカウント設定時に登録したパスワードとパスフェーズは変更しかできません。もし忘れた場合は、Firefoxのパスワードマネージャを開き、[chrome://weave]で検索すれば両者のパスワードを参照することができます。
<オプション設定など>
ステータスバーには、常に作成したアカウント名が表示されるようになり、この表示をクリックして表示されるメニューから、接続の中止、今すぐ同期、オプション設定画面の表示などができるようになっています。
オプション設定はFirefoxのオプションウィンドウに統合されており、ここから以下のような設定が可能です。
■接続の中止
■パスワード、およびパスフェーズの変更
■同期方法の変更:以下のようなウィンドウが開き、マージ、PC→サーバー、サーバー→PCなどの同期時の方向を選択できます。
■ユーザーアカウントの切り替え(全ての情報を削除)
[Reset All....]ボタンをクリックします。
実行すると以下のような画面となり、再度セットアップが必要となります。
■同期するデータの選択(全て、または選択したデータ)
<2台目のPCでの設定・および同期作業など>
次に、上記PCとは別のPCのFirefoxにアドオンをインストールします。
インストール後は同様の画面が表示されますが、今度はアカウント作成済みですので、[I'm already using Sync on another computer]をクリックし、ログインウィンドウを表示します。
ユーザー名とパスワードを入力し、次の画面でパスフェーズを入力します。
次に、同期方法を選択します。
最上段のマージを選択すれば1台目と2台目の情報を混ぜ合わせて同期します。
下段ではPC→サーバー、サーバー→PCから選択できますので、どちらのデータを優先したいかで選択してください。
とりあえず今回は上記PC(A)の保存情報をこのPC(B)でも利用するという前提でサーバー→PCを選択してみました。
選択すると、以下のような画面が表示されます。見本の画面ではブックマークが44個、履歴、パスワードが0個サーバーにあることがわかります。
この保存データをPC(B)でも使いたい場合は[次へ]をクリックします。
次の画面では、今後どのデータを同期するかが設定できます。
ここでの選択肢も[常に]と任意の選択データとなります。
以下の画面で[完了]をクリックすればPC(B)への導入と設定は完了です。
同じくステータスバーに状態が表示され、同期が開始されますので、ブックマークなどがPC(A)と同じものになるのを確認してください。
*ブックマークのファビコンは同期されません。同期後各サイトアクセスしてファビコンを表示するようにしてください。
■他のPCのタブは起動時には再現されません。その他のPCで保存されたタブを参照するには、履歴→[Tabs From Other computers]をクリックします。
以下のように、各PCで開いていたタブの一覧が表示されますので、再現したいものをダブルクリックします。
以上のように、Firefoxに保存されている各情報を、複数のPCやプロファイルで統一することができるという便利なアドオンです。
ブックマークやパスワードなどに関しては優れたアドオンがいくつかあり、不自由していないという方もいらっしゃると思いますが、その他の情報も含めて一括で同期できるというメリットがありますので、PCの利用環境にマッチする方は使ってみてはいかがでしょうか。
なお、日本のユーザーにはあまり関係ないと思いますが、本アドオンはFirefox Mobile(Fennec)もサポートされています。
ダウンロード:Firefox Sync 1.3(Add-ons for Firefox)
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