しかし、この新規プロファイルの作成により今までの環境をまた一から構築しなければならず、多くのユーザー設定を変更している場合、それらを思い出しながらコツコツ設定するのはかなりの根気を要する作業となりますね。
アドオンのインストールだけならまだしも、prefs.jsやuser.jsに書き込まれているような設定は、それらのデータを旧プロファイルから拾い出して上書きするか、個別に再設定(ファイルへの書き込み)するしかなく、かなり面倒です。
また、なんらかの原因でプロファイル自体が壊れてしまったり、PCが起動でいないようなときは、このような移行作業すらできないことも考えられます。
そんな時、あれば便利なFirefoxアドオンが「fxport」です。
「fxport」は、Firefoxでプロファイルを作り直すときや、新規プロファイルでも他のプロファイルと設定を同期したいようなとき、バックアップされたファイルをインポートするだけで環境を構築し直すことができるというアドオンです。
アドオンをインストールしたら、オプション設定を開きます。
まずは[エクスポート]タブをクリックし、元になるプロファイルの情報をバックアップします。
エクスポートできる情報は
・ブックマーク
・パスワード(マスターパスワード除く)
・アドオンのインストールの許可サイト
・ポップアップの許可サイト
・Cookieの例外サイト
・画像読み込みの例外サイト
・prefs.js
・user.js
となっており、これらの中から必要なものにチェックを入れ、[エクスポート]ボタンをクリックすればエクスポートが開始されます。
保存ファイルは[プロファイル名_日付.json]という形式でひとまとめにされますので、任意の場所に保存します。
こして保存したファイル(各設定)を(別の)プロファイルに戻すには、fxportがインストールされたプロファイルでFirefoxを起動し、オプションを開いて[インポート]タブをクリックします。
ここで[インポート]ボタンをクリックし、ファイル選択ダイアログから[プロファイル名_日付.json]を開くと以下のようなウィンドウが表示されます。
*現在のプロファイルに情報を上書きしたくない場合は[結合]ボタンをクリックします。
ここには、保存時にチェックした各ファイルの内容が表示されていますので、インポートしたい項目にチェックを入れ、[OK]をクリックします。
これで各情報がそのプロファイルにインポートされ、元の環境を取り戻すことができるというわけです。
また、オプション設定の[最適化]タブでは、[places.sqlite]のvacuumおよびreindexを実行できるおまけ機能も付いています。
プロファイル全体のバックアップ作業と比べて、必要な情報だけを手軽にバックアップ・復元できるのがいいですね。
別プロファイルの環境を同じようにしておいたいときや、万一のクラッシュ時の復元作業などに使ってみてはいかがでしょうか。
ダウンロード:fxport(Add-ons for Firefox)[実験的なアドオン]
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