しかし、こうしたID・パスワードは、各サイトごと、またブラウザやPCごとに保存環境が異なっており、万一失った時や、異なる環境でログインしたいような場合、全てを統一、または記憶でもしていないかぎり、スムーズにログインできることはありません。
そうした場合に備えて、アカウントを管理するためのローカルソフトや、Firefoxアドオンもありますが、それらもOS環境ごと消失したりする可能性はあり、また、他のPCなどとの同期は一部の有料オプションを使わない限り行うことはできません。
こうした従来のアカウント管理ツールにある機能に加え、同期、シェアなどの機能も盛り込んだオンラインアカウント管理ツールが「LastPass」です。
「LastPass」の最大の特徴は、単にID・パスワードを記憶してネット上で管理するだけではなく、その機能をFirefoxとIE(Win・Mac・Linux)間で、また、それらのブラウザがインストールされた異なるPC間でもシームレスに連携、同期を取ることができるという点です。
また、名前の通り、LastPassのアカウント一つを覚えておくだけで全てのサイトにログインできるという意味を持っており、「LastPass」のアカウントとネット環境さえあれば、そのユーザーが保存したアカウント情報はいつでも参照でき、アカウント情報をタイプすることなくログインできてしまうというシステムです。
Firefoxにて利用する場合、その機能はアドオンで提供されるようになっていますが、今回は、IEと併用している環境でもウィザードに従って簡単にインストールできるプログラムを利用してインストールし、試用してみました。(Firefoxにはインストール後、アドオンが自動的に導入されます。)
<ダウンロード・インストール方法>(Windows XPでの例)
プログラムは、「LastPass」オフィシャルサイトにて、[Get last pass]ボタンをクリックすることによってダウンロードが可能です。
FirefoxやIEを起動している場合は終了させた上で、ダウンロードしたlastpass.exeをダブルクリックするとインストールが開始されます。
最初の画面では、言語を選択することができますが、日本語は選択肢にありませんので、とりあえず英語を選択して[Nexrt]ボタンをクリックします。
■インストールステップ 1
ここでは、アドオンをirefox、IEのどちらか一方、または両方にインストールするかどうかを尋ねられますので、任意のブラウザ名(または両方)にチェックを入れ、[Next]ボタンをクリックします。
■インストールステップ 2−1
この画面では、アカウントの作成を行うかどうかを聞かれます、すでに「LastPass」のアカウントをお持ちの方は下にチェックを、新規アカウントをこのウィザードで作成する方は、上の[I do not a LastPass account create one for me]にチェックを入れて[Next]をクリックします。
■インストールステップ 2−2
この画面内に新規アカウント情報を入力していきます。
最上段がLastPassアカウント名となるメールアドレス、次に任意のパスワードを入力します。
その下の[リマインダー]部分には、万一LastPassのパスワードを忘れた場合に思いだすためのキーワードを入力します。(日本語入力可)
その下の2つのチェックボックス上段は、規約に同意、下段はLastPassを使ってログインした際の記録を管理するかどうかのオプションです。規約は必須ですが、ログは任意です。
全てを入力したら[Next]をクリックし、次の画面で先ほど入力したパスワードを再度入力し、[Save]ボタンをクリックすればアカウント作成は完了です。
■インストールステップ 3−1
ここでは、現在FirefoxやIEに保存しているアカウント名、パスワードをLastPassのサーバーにインポートするかどうかを選択します。
選択肢は以下のようになっています。
最上段:全てのアカウント情報を自動的にLastPassにインポートする
中段:保存されているアカウント情報を選択しながらLastPassへインポートする。
下段:インポートしない。
お奨めは最上段ですが、お好みでチェックを入れ、[Next]ボタンをクリックします。
*「インポートしない」を選択しても、FirefoxやIE利用しながら随時情報を蓄積することができます。
■インストールステップ 3−2
情報量にもよりますが、数分でインポートが完了します。大量のアカウントを処理する場合、しばらく反応が無くなる場合がありますが、そのまま待っていれば以下のように取得が完了したことを知らせる画面が表示されます。
この画面内に表示されている情報は、対象ブラウザ、URL、アカウント名、パスワードとなっています。これでよければ[Next]ボタンをクリックします。
■インストールステップ 4
セキュリティセッティングを行います。
すでに全情報をLastPassに送っている場合、今後はLastPassでログインが可能となりますので、Firefoxのパスワードマネージャの情報を残していても危険なだけという考え方もあります。
そう思われる方は、最上段にチェックを入れると各ブラウザのアカウント情報を削除します。
*後に必要になった場合は、LastPassボタン→Tools→Export→FirefoxにてサーバーからデータをFirefoxに移行することができます。
また、一部の情報をブラウザに残したい方は、中段にチェックを入れれば選択して削除できますし、下段にチェックを入れればブラウザの情報は削除しません。
チェックしたら[Next]で進みます。
■インストールの完了
この画面でインストールは完了です。
最後に、LastPassへのログイン状態を保持したままにしたい方は最上段にチェック、PC終了後自動的にLastPassからログアウトしたい場合は中段にチェックを入れておきます。
また、その下の[Set my homepage to mbe lastpass.com]にチェックを入れておけば、LastPassをブラウザのホームページにセットできます。
これらを選択したら[Done]ボタンをクリックし、ウィザードを終了します。
<各メニューの機能>
インストールが完了したらFirefoxを起動してみましょう。
アドオン一覧には「LastPass」が追加され、Firefoxのツールバー右側には以下のようなアイコンが表示されているはずです。
☆ログオフ状態のボタン
このアイコンの状態は、現在LastPassへログインしていることを意味しており、クリックすると各種メニューにアクセスできるようになっています。
■ログイン・ログアウト
ログイン中、最上段に表示されているメールアドレスをクリックすれば、LastPassからログアウトします。
再度ログインしたい場合は、メインボタンをクリックし、表示されるダイアログにLastPassのアカウント(メールアドレス)、パスワードを入力し、[Login]ボタンをクリックします。
■Sites
クリックすると、現在LastPassに登録してあるアカウントが必要なサイト一覧をサイドバーにリスト表示します。
ここに表示してあるサイト名をクリックすれば、ブックマークでアクセスするようにログインページを開くことができます。
■Secure Notes
各アカウント情報に対して任意のメモを添付することができます。
なんのためのログインサイトかわかりにくい場合などのメモに使えそうです。
■LastPass.com
LastPassオフィシャルサイトにアクセスします。
■Open Favorites
お気に入りサイトを表示します。
■Site Search
通常の検索ではなく、登録してあるログインサイトの中からキーワード検索を行います。
■Recheck Page
ログインページでアカウント情報を再読込します。
■Fill Forms
サイトのフォームに記入する名前や住所などの定型文を編集できます。
*LastPassWebサイト内のマイページにて編集可能。
■Preferences
オプション設定画面を開きます。
基本的にデフォルトで問題ありませんが、ここではLastPassへのログイン状態の保持や、ログインページを新規タブで開くなどの基本的な設定が可能です。
■Tools
LastPassへのフィードバックフォームの表示やヘルプ、その他のパスワード管理ツールからアカウント情報のインポート、LastPassから他のツールへの情報エクスポートなどが可能です。
また、新規パスワード入力時に迷わないパスワードジェネレーターも装備しています。
☆パスワードジェネレーター
☆インポート
☆エクスポート
<使用方法>
インストール・各種設定が完了したら、とりあえずログインが必要なページにアクセスしてみましょう。
LastPassが有効な場合、アカウント情報が入力されたログインフォームが赤く線で囲まれて表示されます。
画面上部にはメッセージバーが表示され、左のボタンをクリックすればオートログイン、右のボタンをクリックすれば今後自動入力しないようになります。
LastPassに登録していない新規サイトでログイン作業を行った場合は、ページ上部のバーに表示されている[Save Site]をクリックすればその情報をすぐにLastPassへ追加することができます。
<利用イメージ動画>
基本的な導入方法、利用方法は以上のようになっていますが、LastPassの便利なところはそのシームレスな同期性にあります。
たとえば、今までFirefoxにはパスワード情報を保存していたが、IEには未登録なログインサイトがある場合、上記インストールにより、同時に導入されたIE用のLastPassプラグインが有効になっていれば、URLを入力した時点で同じアカウント情報を使ってスムーズにログインすることができます。
■IEにインストールされたLastPass
同様に他のPCで同じような作業を行う場合でも、各ブラウザにLastPassアドオン(プラグイン)がインストールされている環境なら、情報が全く保存されていないPCからでもLastPassにさえログインしていれば簡単にアクセスすることができます。
こうした各種情報は、LastPassのオフィシャルページでログインし、マイページを開くことによっても参照・編集することができます。
☆マイページ
☆個別アカウント編集画面
オンラインにもパスワードマネージャが用意されているようなものですね。
マイページからは、各項目横のメニューから情報を編集・削除したり、他のLastPassユーザーもあなたの保存情報にアクセスできるように[Share]することも可能です。
☆シェア画面
あるサイトにアクセスして共同作業を行うような場合などに便利ですね。
<オンラインでパスワードを管理する安全性について>
以上のように、ローカルではなく、オンラインにパスワード情報を保存してどこからでも利用できる便利なツールではありますが、ブックマークなどのオンラインツールとは違って大変重要な情報をLastPassのサーバーに「預ける」という行為に不安を感じる方もいらっしゃることでしょう。
LastPassのサービス説明を読むと、こうしたアカウント情報は、LastPassのパスワード送信時に生成されたキーを使って解読されるようになっていると書かれています。
LastPass側に分かっていることは、あなたの登録したメールアドレスと、パスワードリマインダとして記入したヒントだけだということです。
*情報の送受信には米国国家機関でも使用されている256ビットキーの暗号化システム(AES-256)を利用しているので安全とも書かれています。
そしてこれらは万一のサーバーダウンに備えて、常時2つのサーバーで稼働させています。
また、ログイン状態を保持できるのも最大2週間となっており、それ以降にアクセスする場合は再度パスワードの入力が必要になるなど、当たり前のことですがセキュリティ面ではかなり気を使っていると思われます。
さらにLastPassマイページへのログイン時に、キーロガーが心配な場合、画面上でソフトキーボードを表示してパスワードを入力することができるなどの念の入れようです。
このため、万一LastPassのパスワードを失念し、リマインダの答えもわからない場合はデータを読み出すことは不可能となります。
こうした心配と利便性を天秤にかけることになるため、利用するかどうかはユーザーがLastPassを信頼できるかどうかということになるかと思いますので、自己責任での利用をお願いします。
ともあれ、日々増大するWebへのログイン情報をこのようなスタイルで完全に同期できるというのは大きなメリットです。
特に複数PCや複数ブラウザ、モバイルユーザーなどにとっては、かなり強力なツールとなることでしょう。
Firefox用アドオン「Foxmarks」や「Weave」も併用すれば、Firefoxの環境をほとんど同期することできるそうですね。
ダウンロード:LastPass
機能一覧
FAQ
<関連記事>
■もうログインパスワードは覚えなくてもいい?OpenIDを使ってログインやフォーム記入情報を管理できるFirefoxアドオン「Sxipper」
■Firefoxのパスワードマネージャに保存されたパスワードをインポート・エクスポートできる「Password Exporter」
■Firefoxに記録してあるID・パスワードを管理できるローカルソフトウェア「PasswordFox」
■Firefoxのマスターパスワードを指定時間後に無効にするアドオン「Master Password Timeout」
■****ってなんだっけ?フォームのパスワードをワンクリックで表示するブックマークレット。
■どんなサイトでもパスワードを常に記憶するように設定できる「Always Remember Password」
■パスワード作成・管理アドオン「Password Hasher」
■Firefoxで安全なパスワードを簡単に生成できるアドオン「SecurePassword Generator」
■「Secure Login」で簡単・安全にログインする。
■ユーザーIDが必要なサイトでも登録無しにログインできるFirefoxアドオン「BugMeNot」
<Ads>
インターネットFX取引手数料無料ならマネーパートナーズ
1万円からのFX取引は、伊藤忠グループ・FXプライム
トレイダーズ証券の外国為替取引